3月25日放送のテレビ朝日スペシャルドラマ「大女優殺人事件」のサブタイトルになっている「鏡は横にひびわれて」の言葉の意味をめぐる議論が沸き起こっています。
「テニスンの詩の一節でしょ」、「じゃクリスティの小説とテニスンの詩のつながりは?」と疑問が尽きません。
そこで「鏡は横にひびわれて」の意味を調べてみました。
原作小説「鏡は横にひびわれて」タイトルの由来・意味
「大女優殺人事件」のサブタイトルになっている「鏡は横にひびわれて」は、アガサ・クリスティの原作小説のタイトル「鏡は横にひびわれて」から付けられています。
電子書籍でも読むことが出来ます。
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では、その小説のタイトルは何が由来となっていたのでしょうか?
その答えは、クリスティはアルフレッド・テニソン (1809-1892)の詩「シャロットの姫」の一節からこのタイトルを発想したということです。
“鏡は横にひび割れた 呪いが我が身に シャロット姫は叫んだ”
出典:https://blog.goo.ne.jp/gtgsh/e/d972b80d79450eb1ec8aa56dc4dc6d5b
(冨樫 剛、Tennyson, “The Lady of Shalott”、2018.3.21閲覧)
この一節の他にもアガサ・クリスティは小説「鏡は横にひびわれて」の中で、ところどころに既に古典となっている「シャロットの姫」から詩の一部を引用した文章を載せています。
それはクリスティ独特の手法で、引用した有名な詩の一節々によって読者に推理小説の中の展開や真犯人を暗示しているのです。
日本の小説でも良く使われる”平家物語の例の韻を踏む冒頭の一節”を引用してストーリー展開を予測させたり、結末に持ってきて物語に余韻をもたせる定番の手法と同じです。
「シャロットの姫」にある具体的な言葉が、事件解決のキーワードになっているということではなくて、小説の中の重要な人物の心境を語っているのです。
”大女優”は何を知ってしまったのか?【ネタバレ注意】
ここからは「鏡は横にひびわれて」の意味を解き明かすためにどうしても「大女優殺人事件」の原作小説「鏡は横にひびわれて」の結末のネタバレを書かなければなりません。
真犯人を知りたくない方は以下の文章は読まないでください。
アガサ・クリスティの原作小説「鏡は横にひびわれて」では物語は、大女優マリーナ・グレッグが映画製作の期間のためだけに買った邸宅でパーティーが開かれ、招待客の1人でカクテルを飲んだ地元の中年女性ヘザー・バドコックが急死する場面から始まります。
ヘザー・バドコックは、以前にこの町で公演を行ったマリーナの舞台を観るために風疹で寝ていたのを無理して出かけ、マリーナにサインをもらって頬にキスしたことをパーティーで自慢そうに話していました。
実はマリーナには最初の結婚の時に産んだ子供に先天的な障害があり、ショックで女優業を休み続けた過去があったのです。
原因は風疹でした。
当時はどこで風疹をうつされたのか不明でしたが、目の前にいるこの女がその原因だということをこのとき初めて知ったのです。
そしてなにげなくマリーナの視線が階段の踊り場の壁に掛けられた“幼いイエスを抱く聖母マリアの絵”に向けられた時、マリーナの心に殺意が沸き上がったのです。
ヘザー・バドコックに毒の入ったカクテルを飲ませて殺した犯人は、マリーナでした。
真実を知ってしまったばかりに殺人という不幸を自分で掴んでしまったマリーナ。
アガサ・クリスティは大女優マリーナの不幸を、叶わぬランスロット卿への恋のてん末を知ってしまったために「呪いが我が身に」と叫んで息絶えたシャロット姫に重ねて小説のタイトルにしたのです。
知らなければ良かった!
「鏡は横にひびわれて」の由来の意味はここにあったのです。
「鏡は横にひびわれて」のタイトルに対するネットの反響は?
出典:Twitter
まとめ
「鏡は横にひびわれて」の意味はテニソンの詩「シャロットの姫」の一節に書き込められた悲しい事実でした。
アガサ・クリスティの小説「鏡は横にひびわれて」には「シャロットの姫」の詩から引用された箇所がいくつもあるようです。
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